コラム  パイロットの展示会(07年9月)


毎年、9月に開催されるパイロットさんの展示会に出席してきました。今回は、事前にいくつかの新製品の情報をいただいていたので、当日は現物を確認するのを楽しみに出かけてきました。

先ず、今年の印象として、万年筆をはじめとする高級筆記具の新製品がいつになく多い!そして、力が入っているなー!と感じました。聞くところによるとパイロットさんではこのところ万年筆の売り上げがじわじわ伸びているそうです。ちょっとマニアックな製品も増えてきて、今後ますます楽しみです。 その他、一般筆記具や文具の新製品も積極的に試作品を展示しておられて、特に油性マーカーの新製品、Vスーパーカラーは既にうちの店頭にも並んでいますが、ホワイトボードマーカーのボードマスターに続く、「社運をかけた!?商品」だけあって、展示や解説に力が入っていました。

今回は、とりあえず高級筆記具に関する新製品をいくつかご紹介しましょう!それぞれの商品について詳しくは今後スミ利のホームページで順次取り上げていくつもりですが、気になる製品がありましたらお気軽にお問い合わせ下さいね!


パイロット万年筆 クアトロ89  クアトロ(クァトロ)89万年筆
万年筆の新製品、クァトロ89(¥30,000+税)  スミ利でも早速、取り扱い開始!


先ず最初はパイロット・ブランドの万年筆の新製品、クァトロ89です。1本¥30,000+税のちょっとお高い万年筆です。これは、四角形のユニークな形状が特徴で、胴軸には最近のパイロット社お得意のコムプライト(樹脂含浸カバ材)という加工木材を材料としています。キャップは少し重量感のある金属製で、軸の後ろに差す時もねじ込み式になっているユニークなもの!このネジは毎回きまった位置で止まる設計になっていて、クリップの位置が筆記時に邪魔にならず四角形の軸がぴったりと手にフィットするポジションで握れる様に工夫されています。説明してくださった方の話では、男性はキャップを後ろに差して、女性はキャップを差さずに使うのがバランスが良くてお薦めとのことでした。聞くところによると、海外ではキャップを後ろに差さずに書く人の割合が多いそうです。実際に試筆させていただきましたが、書き味もなかなかのもの!これはかなり気に入ってしまいました!ペン先はロジューム加工でシルバー色の14金、3号ペン先。少し小さめのペン先なのですが、質感も書き味も高級感があります。勿論スミ利でも取り扱うことに決定!


パイロット スタンザ 油性ボールペンとシャープペン  あのタイムラインにゲルインキが!
左・油性ボールペンとシャープの新製品「スタンザ」    右・タイムラインのゲルボールペン

次は、ボールペンの新製品をいくつか。上の写真の左はスタンザと言うボールペン、シャープペンの新製品。1本¥5,000+税ですが、写真には写っていない木製グリップ仕様の¥7,000+税もあります。ボールペンはかなり操作感に優れた回転繰り出し式で高級感抜群。シャープは特に変わった点は有りませんがパイロット自慢のしっかりとした作りのメカニズムが搭載されています。共に軸の塗装が鮮やかで美しく、少し太め(大柄)なので適当な重量感もあって書きやすいです。  右の写真は、大ヒット商品、タイムラインのゲルインキ版!ここに写っているモデルは¥5,000+税のタイプですが、油性ボールペンと同じく¥3,000+税のモデルもあり、そちらは鮮やかで明るいカラーリングでした。やはり書き味抜群!これはヒットしそうな予感です!


ナミキの新製品 ユカリロワイヤル漆  ナミキ漆コレクションに金リング無しのモデルが新発売!
ナミキにも新製品が登場! 漆コレクションがにわかに充実しました!

次は、今注目のナミキの新製品。上の写真左のモデルはユカリロワイヤルの漆モデル(¥128,000+税)です。カスタム743の15号ペン先よりも大きい独特な20号ペン先を持つ高級モデルです。これは実際に携帯して使用することも可能なサイズで、堂々としたナミキの魅力を存分に味わえる逸品!黄銅製ボディーに最高級の呂色漆仕上げで何とも言えない深みのある光沢が特徴です。黄銅製ボディーですが重過ぎず重量バランスも良好。漆塗りのお陰か!?金属ボディーの冷たい感触もさほど気になりません。  写真右のモデルは、ナミキ最大の50号ペン先を持つ漆コレクションに新たに加わった「金リング無しモデル」です。従来から有った漆コレクション(¥150,000+税)のキャップから装飾リングを無くしたシンプルなデザインでお値段は若干お安い¥148,000(税込)です。キャップリングの装飾が無い以外は、エボナイトボディー、インキ止め式、50号ニブなど、従来の漆コレクションと全く同じ仕様です。


パイロット蒔絵 干支シリーズ新発売!  研ぎ出し平蒔絵の干支シリーズ万年筆が新発売
高級研ぎ出し平蒔絵の新しい干支シリーズは1本¥200,000(税別)

次は、いよいよ発売になる新しい蒔絵の干支シリーズです。今度の干支は十二支全ての原画デザインを日本画家が担当し、前作よりいっそう統一感のあるシリーズに生まれ変わりました。日本画家がデザインを担当しただけあって、より絵画的な印象が強くなり、研ぎ出し平蒔絵と言う表面を平滑に研ぎだして仕上げる技法とあいまって、透明感溢れる作品になりました。1本のお値段は¥200,000(税別)です。ご自身の干支を買うも良し!ご家族などへの贈り物として買うも良し!いっそ12本セットで買うも良し!12本セット(定価¥2,400,000)で買うと、付属の木製ギフトボックスに代えて、特製コレクションケース(別売¥52,500)がサービスになります(笑)! とりあえず初回はそれぞれ20本づつ製作され、順次出荷されますが、それ以降は基本的に受注生産となり納期は約3ヶ月ほどかかります。気になる方は是非スミ利にご相談下さいね!すぐにお見積もりいたします(笑)。

パイロットの万年筆インキに新色が!しかも青系5色!!  試作品のカスタム74スケルトンタイプ!これも期待できそう!
万年筆インキに新色登場!しかもブルー系ばかり5色が追加!!
一番下の筆跡は従来からのブルーです。
 右は試作品のカスタム74スケルトンで、パイロットさんでは
日頃から新製品の研究をされています(08年に商品化されました!)。

さて、最後にもう一つ。これはインキの新製品です。実はまだ販売価格など未定なんだそうですが、万年筆のインキに久々に新製品が登場することになりました! 何と微妙に異なる色合いのブルーが5色も新発売!上の写真はその筆跡です。一番下の筆跡は従来からあるパイロットのブルーです。しかも今後更に他の色も続々追加になる模様!予想では¥1,500前後になるそうですが、ボトルも恐らく50ml入りで新しいデザインになるとのこと。先日コラムでパイロットのボトルについて書いたのでタイムリーな話題ですね!できれば値段は安くしていただきたいですが。いよいよ万年筆の大本命、パイロットさんもインキのテコ入れに着手されましたね!
※07年12月、新しいボトルインキが遂に発売になりました!シリーズ名は「色彩雫(いろしずく)」で、「朝顔」「紫陽花」「露草」「紺碧」「月夜」の計5色!予定通り、50ml入りで1本¥1,500(税別)のニューボトルデザインで登場です!!間も無くスミ利のページでも情報をアップしますが、既に予約を受け付けておりますのでお問い合わせ下さい!先ずは5色セットでご注文くださる方が多いです!でれも素敵な色合いですよ!!

それから、上の写真右の万年筆にも注目!実はまだ試作段階なんだそうですが、カスタムのフルスケルトンモデルが出るかも知れません!いくつかの試作品(カスタム74ベース、カスタム742ベース、金色リング、銀色リング)が展示されていましたが、私が一番気に入ったのは写真のカスタム74ベース、しかも銀色のロジューム装飾モデルです。ペン先もロジュームコートです。コンバーターのシルバー部分との相性もなかなかです。ただ、担当されていた女性社員の方は、技術的に可能ならばコンバーターの部品も透明にしてもっと中のインキの色を強調できるものを試してみたいとのこと。なるほど!でも私はこの試作品でも充分OKだと思いましたが・・・。確かに金色リングのモデルはコンバーターの銀色部品とちょっと違和感がありましたね。キャップ内部のインキ汚れや首軸のインキニジミなどはこの際気にせず、潔いまでのスケルトンにしてみるのも正解では? →追記 08年にカスタム74スケルトン(定価¥10,000の商品として製品化されました!ペン先は14金のFとMの2種類です。スミ利でも取り扱いできますので、是非ご相談下さい)。


ナミキ限定品 オオムラサキ 全世界99本限定品  ナミキ オオムラサキ 
ナミキの限定品「蒔絵オオムラサキ」 お値段、流石の¥1,100,000也!


さあさあ、最後にとんでもないものを1点(笑)。今年のナミキ限定品「蒔絵オオムラサキ」です。全世界で99本の限定製作だそうです(日本には30本程度!?)。またとんでもない代物です。110万円と言うお値段で圧倒されそうになりますが、凄いもんでした。見事な螺鈿で表現された国蝶オオムラサキが満開の菊の花をバックに飛び回っている蒔絵です。万年筆も凄いですが、箱も凄いですね!家宝としてお一ついかが?

今回のパイロットの展示会では他にも色々と展示されていましたが、一先ず目玉商品はこんな感じですね。ちょっと高額製品のご紹介ばかりが多くなってしまいましたが、万年筆の新製品クァトロ89などは見た目の印象よりも実用的でお薦めです。キャップをペンの後ろに差すときもねじ込み式なのでちょっと面倒な点もありますが、こんなユニークな万年筆も使う楽しみが有って良いのではないでしょうか? ここでご紹介した製品にご興味がある方は是非スミ利にご相談下さいね!


※文章中の価格につきましては、掲載当時の金額です。予め、ご了承くださいませ。

2007年9月13日  スミ利文具店 藤井稔也



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