35年間現役のカメラ


オリンパス ペンEE2

未だに現役カメラ!オリンパス・ペンEE2(OLYMPOS PEN EE2)


うちで今も使っている古いカメラが有るのですが、ちょっと面白いのでご紹介してみようと思います。そのカメラはオリンパス社製のペンEE2と言うモデルです。女性や初心者向けにかなり人気が有ったカメラらしいので、皆さんの中にもお持ちの方がおられるかも知れません。上の写真がそのカメラです(レンズキャップとストラップは最近取り替えたものです)。何でも35年ほど前からうちに有ると言う事で、文具のメーカーさんか問屋さんから頂いたものの様です。恥ずかしながら、うちでまともに使えるカメラはほぼこれだけ(古いデジカメが1台有りますが・・)なので、未だに現役で活躍中です。

オリンパス・ペンEE2が具体的にどんなカメラかと言うと、先ず大きさは手のひらにすっぽり収まるサイズ、最近のデジカメ程度の大きさです。ところが部品は全て金属製なのでかなりズッシリとした重量感があります。最近は何でもプラスチック製が多いので、金属製というのはポイント高いところです。使い方は至って簡単で、フイルムを巻き上げて、ファインダーを覗き、シャッターを押すだけです。これだけですと、「使いきりカメラと同じじゃないか!」と言われそうですが、実はこのカメラは凄いカメラなんです(と、思うのです)。

実は、このカメラはシャッターが切れる時に、その場の明るさに応じてシャッター速度を自動調節する仕組みになっています。光量が不足して上手く撮影できない場合はシャッターが切れない様になっていて、ファインダーに赤ベロと呼ばれる警告板が出てきます。ですからこのカメラで撮影した写真は適当にシャッターを押しただけなのに意外と失敗が少ないのです。で、それのどこが凄いのかと言うと、このカメラには電池(電気)が一切使われていない点なのです。

電池を一切使用せず、周囲の明るさに応じて自動的に最適なシャッター速度に調節する!どうもレンズの周りに有る鱗模様の部分が光を感知しているみたいですが、どう考えても不思議です。35年も前の完全機械式カメラにこんな芸当ができるとは!技術の高さにつくづく感心してしまいます。そして、35年経っても未だに現役で使える丈夫さも見事です!実は、うちには新しいコンパクトカメラも1台有ったのですが、僅か2年で電気系統が故障して使えなくなってしまった経験があるのです(しかも修理代がバカ高い!)。

故障までいかなくても、最近のカメラは電池が無くなるとシャッターを切ることさえできません。しかも最近主流のデジタルカメラに至っては、カメラそのものが電気技術でできていますので、完全にお手上げ!予備の電池が必須です。旅先などで撮影中に突然電池が切れた経験はありませんか?(私はあります!) フィルムも手動巻上げ式で面倒ですし、デジカメの便利さも有りませんが、今の世の中に、こんなのん気なカメラが有っても良いのでは無いでしょうか?

それと、このカメラにはもう一つ大きな特徴があります。それは、このカメラがハーフサイズカメラと言うことです。ハーフサイズとは、最近聞き慣れない言葉ですが、要するにフィルム1コマに2枚の写真が撮れるカメラと言うことです。つまり、24枚撮りのフィルムなら42枚も写真が撮れる訳です。何かこれだけでちょっと得した気分です!でも、沢山撮れるからと言って調子にのってバシバシ撮ると後でプリント代が高くつくので、程々にしないといけませんが・・・。

このカメラは、近くから遠くまで大体のところに大体ピントが合う!?設定で、細かいピント合わせや絞りの調整などは一切出来ません(逆に言うと調整しなくても良い)。ですから、写真はどこか昔の写真風に出来上がります。しかし、いつでもどこでもそこそこの写真が撮れる安心感があります。最近のカメラはフィルム式にしろデジカメにしろ殆どカメラ任せで、かなり奇麗な写真が撮れますので、今わざわざこんなカメラを買う必要は無いのですが(そもそも売ってないが)。35年経っても異常なく使えるというのは、カメラに限らず最近の工業製品ではちょっと有り得ないかもしれませんね!



2004年09月12日   藤井稔也



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