万年筆のペン芯とは?

 ペン先が万年筆の顔なら、ペン芯は心臓に当る程、重要な部品です。万年筆メーカー各社はペン芯の開発に多くの技術をつぎ込んでいるのです。この小さな部品には何本かの非常に細かい溝が彫られています。それぞれの溝には別々の役目があり、インクが通る溝、余分なインクを一時的に溜めておく溝、インクの減少に応じて外から空気を取り込む為の溝があります。「溝」と一言で言いましたが、それらは各メーカーにより形状や構造は様々です。また、筆記時に人がペンを握ることによって体温が伝わり、万年筆内の空気が膨張しますが、それによるインキ漏れやインキ流量の極端な増大を防ぐ為の工夫も各社独自に施しています。

ペン芯の写真
大きさ、形状、素材、表面加工、様々な要因で性能が変化します。
ペン芯は万年筆メーカーの腕の見せ所です。
ペン先(ニブ)以上にメーカーの技術力と研究成果が問われる部分かも知れません。

 


ペン芯の拡大写真1  ペン芯の拡大写真2
因みに、これはプラチナ萬年筆社製のペン芯です。


 拡大するとこの様な溝が彫られています。実物は髪の毛の先端程の細かい溝です。この溝にゴミやインキのカスが溜まると書けなくなるので非常にデリケートな部品です。蛇腹上になっているのは体温が伝わることによって起こる空気の膨張をコントロールする為です。バイクの空冷エンジンなどにも似ています。また、気圧の変化でインク漏れが起こりにくい様に様々な工夫が凝らされています。

※上記のペン芯の写真は、スミ利に残されていたお客様が破棄された万年筆や、部品交換で不要になったペン芯を撮影したものです。 ペン芯とニブ(ペン先)はただ単に張り合わせて首軸に取り付けられている様に見えますが、正常な毛細管現象を機能させる為には、しっかりとした密着状態と適正な位置で取り付ける必要があります。プラチナ社などでは、このペン先とペン芯の張り合わせの際、湯煎により過熱してしっかり密着させた上で商品として組み立てています。問題の無い万年筆を不用意に分解したりペン先をペン芯から取り外すとこのバランスが崩れ、同じ様に組みなおしたとしても、インクの流量が変化したり、故障の原因にもつながりますので、お客様での分解はおやめ下さい。


スミ利文具店
www.sumi-ri.com


TOPニュース店舗情報商品案内キャンペーンコラム掲示板リンク